マッチ建築設計事務所

本多

熟成純生食パン専門店 本多
JR姫路駅から世界遺産姫路城へと続く
アーケード付きの商店街。
雅、白鷺と言う名前の純白色の食パン、
家紋入りの漢字の店名、
今後、世界展開を見据えた
食パン専門店(食パン一本(2斤)1000円前後の単価感)のデザインが求められた。
そこで、誰もが知る世界遺産”姫路城”を空間イメージとして利用しつつも、
あまり華美になりすぎないデザインとすることを心がけた。
具体的には、
漆喰をイメージした白色の壁と天井、
柔らかな間接照明とナチュラル色の木目、
城の石垣が積まれたパターンをモチーフにしたパン棚に、
床全面に金色のラメを配した紫色(高級感があり、今まであまり飲食店の色として使われていなかったので差別化も図るため)の特殊塗装を塗り、
空間全体に緊張感を持たせた。
外部は、
商店街の雑然とした環境から隔離するため、
入り口左右と上部を門型の白いフレームで囲い、
食パンを表札にした看板に家紋付きの店名を記し、特別感を演出した。
美術館の展示ケースのような小さなガラス窓からは、
外部から店内の様子を垣間見ることができる。
加えて、店内には
”純白色の食パン” を、
木製のパン棚に整然と並べ、
”5色の帯が巻かれた紙袋”を、
壁に木の棒を差し込み、その小口に紫色のアクリルをはめ、石垣が積まれたパターンで吊り下げ、
両者ともインテリアの一部として利用した。
単調になりがちな店内デザインを、商品やパッケージをうまく空間デザインに取り込んだことで、商品が直に客に伝わる空間が構成できた。
設計協力/Knowledge Base Design 田中 慎一
photo:Nacasa&Partners
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